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「スピリチュアル」は“幸せ”を引き寄せる? ~スピリチュアルを装って近づく人には気をつけて~

みなさんは、“スピリチュアル”は好きですか?私も女性ですので、神秘的なものには少なからず憧れを感じます。でも、そういうものすべてを信じているわけではありません。私は根拠や裏付けのないものは、基本的に信用しないことにしています。

ふだんの生活の中で、私が参考にしているスピリチュアル“的”なものと言えば、九星・気学や、星占いなど。それらには統計学的な要素があり、一定の裏付けがあるからです。とは言え、いくら膨大なデータをもとにした統計でも必ず未来を的中できるわけではありませんので、占いの結果もあくまで参考程度にしかしていません。

実は、巧みな言葉でお金を引き寄せられてはいませんか?実は、巧みな言葉でお金を引き寄せられてはいませんか?

最近よく耳にするスピリチュアル系の教えの中に、次のような“法則”があるようです。

「お金持ちになりたければ、最初にお金を出しなさい。信じて最初にお金を出せば、お金は必ずあなたの元に入ってくる。お金は循環させないと滞り、入ってくるものすら入ってこない。強く念じて、お金を引き寄せましょう。」

私のまわりにも、この“法則”を信じている友人や知人がたくさんいます。中には、信じたばかりに、お金に困ってしまう友人や、借金地獄に陥った友人までいました。

この“法則”には、3つのトラップ(嘘)があります。

1つ目は“最初にお金を出す相手”が、あなたにこの“法則”を教えてくれた、まさにその人であること(つまり、スピリチュアルな法則を装ったセールストークであるということ)。大概、この“法則”に続く言葉は「だから私の商品やサービスを利用してあなたも幸せになりましょう、成功しましょう。(=買ってください。)」といったものです。そして、あなたがその申し出を断ると「だからあなたは今まで成功できなかったのです。成功している方々は、ここでお金を出す決断をしたから成功できたのです。ここでお金を出すという決断をしなければ、あなたは幸せになれませんし、成功することもできませんよ。」と、たたみかけてきます。

まず不安を植えつけ、過去や人格を否定しながら相手を説得していくのは、洗脳や悪徳商法の常套手段。そのような“セールス”に騙されないためには、日頃からなにごとにも「根拠や裏付け」を確認する習慣を身につけておくことが大切です。もしもあなたがそのような状況に遭遇したら、その“法則”を教えた相手に「根拠や裏付けを、私にもわかりやすいように説明してください」と問い返してみてください。納得できる答えはまず返ってこないはずですから。

お金は、天下のまわりもの?お金は、天下のまわりもの?

2つ目のトラップ(嘘)は「お金は循環させないと滞り、入ってくるものすら入ってこない」ということ。もちろん、私たちの人生の中では先行投資が必要な場合があり、資格の取得などスキルアップのために投資することでお給料のアップが見込めることもあります。でも、それはあくまでも努力が身を結んだ結果であって、お金の循環とはなんら関係ありません。社会全体としてはお金が循環しないと経済が縮小してしまい不況をまねくことは事実ですが、それは私たち個人がどうこうできるレベルの話ではありません。

そうそう。先行投資の例として資格取得をあげましたが、こちらも要注意。スピリチュアルなセールスと同様に、最近よく目にするのが資格取得をすすめる広告やセールスです。こちらについても大切なのは、その資格が本当に“自分のスキルアップや収入アップのためになるか”、根拠や裏付けをきちんと調べ冷静に判断することです。特に女性は、一見華やかでキラキラした印象のある資格に興味を持ちやすい傾向があるように感じます。私の友人もそのような資格を苦労して取得したのにもかかわらず、まったく仕事につながらないと嘆いていました。資格を取れば仕事を紹介すると言われて、高い受講費を払ったのにもかかわらず、仕事を紹介されなかったという友人もいます。さすがにそれは、その資格がどうかという以前に、明らかな悪徳商法に騙されてしまった例ですが…。

“ラクをして儲けたい”は、みんなの願い!?“ラクをして儲けたい”は、みんなの願い!?

最後のトラップ(嘘)は「強く念じて、お金を引き寄せましょう」という言葉。誰だって念じるだけでお金が得られるなら、それに越したことはありません。ファイナンシャル・プランナーという職業の性格上、私はみなさんよりも資産運用などについて考えている時間が長いわけで、だとすれば今ごろは億万長者になっているはず(実際にはそうなっていませんが…)です。

厄介なのは、このトラップ(嘘)を肯定するような資産運用に関する情報が、世の中のいたるところに散りばめられていること。これまでは気にも留めなかったそれらの情報が、「強く念じて、お金を引き寄せましょう」という言葉をきっかけに、目や耳に飛び込んでくるようになり、知らずしらずのうちに真実であるかのように思い込まされてしまうことです。

できれば“ラクをして儲けたい”という気持ちは、誰にでも少なからずあると思います。でも、みんなが念じるだけでお金を引き寄せられるようになったら、誰がお金を使うための商品やサービスをあなたに提供するために働いてくれるのでしょう?それこそ、なんの根拠も裏付けもないお話です。

スピリチュアルを装ったセールスのように、“ラクをして儲けたい”という潜在意識につけこんでくる“おいしい話”は、手を替え、品を替え いつの時代にも存在します。その罠にかからないためには、繰り返しますが、なにごとにも「根拠や裏付け」を確認する習慣を身につけておくこと。そして、そのような相手につけこまれる隙を与えないように、日頃からきちんと地に足を着けた生活を送ることが何よりも大切ということを決して忘れないでください。

悪質な“儲け話”に騙されないために悪質な“儲け話”に騙されないために
  • “おいしい話”は、まず疑ってみる
  • なにごとにも、「根拠や裏付け」を確かめる習慣をつける

ファイナンシャルプランナー伊藤 美恵

元証券会社窓口や生命保険会社等にて相談業務に従事。
現在は独立系FPとして顧問業・相談業務・セミナー講師・執筆等を行う。エフエムたいはく「幸せ生活向上委員会」ラジオパーソナリティー。