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安定した資産運用をされる方の共通点

みなさんは“リスク(Risk)”という言葉にどのようなイメージをお持ちですか?
辞書的に言えば“危険”という意味が一般的ですが、こと投資に関して「リスク」という言葉は“振れ幅”や“不確実性”といった意味で使われています。

大きく値動きする(ハイリスク・ハイリターンな)金融商品は“リスクが大きい”、大きく損をする可能性は小さいけれども、大きな利益が出る可能性も低い(ローリスク・ローリターンな)商品は“リスクが小さい”というように。このリスクの大小を上手に選択し、コントロールすることが、安定して資産を運用するうえで最も肝心なことのひとつなのです。ちなみに、“ローリスク・ハイリターン”な金融商品は存在しません。そのような商品を薦める会社があったら、それは「詐欺」を疑ってください。通常の金融機関がそのような金融商品をご案内することは一切ありません。

ひとつのカゴに卵を盛るな!?ひとつのカゴに卵を盛るな!?

投資の世界には、“ひとつのカゴに卵を盛るな”という格言があります。せっかく集めた卵を、ひとつのカゴに入れて運んだら、万が一カゴを落としてしまった場合、卵はぜんぶ割れてしまいます。でも、いくつかのカゴに分けて運べば、ひとつのカゴを落としても、他のカゴの卵は割れずに済みますよね。そう、これはまさしく資産運用におけるリスクコントロールの手法である“分散投資”の意味をおしえてくれる格言なのです。

「そんなこと教えられなくても知っているよ」私が分散投資の重要性さをアドバイスすると、多くの方からそのような反応がかえってきます。しかし、そのような方でも言葉を知っているだけ、あるいは分散投資をした“つもり”になっているだけの場合がほとんどで、実際にきちんと分散投資をしていらっしゃる方は、ほとんどお見掛けしたことがありません。

 分散投資の方法は、3つあります。

「資産の分散」と「地域の分散」については実践しているものの、「時間の分散」についてはご存知ない(分散投資をした“つもり”になっている)方が、実は意外なほど多くいらっしゃいます。
その理由として考えられるのは、人が資産運用を始めようと思い立つのが大抵、景気が良くなっている時や、株価が上昇している時だということ。現にそういう時は、私への相談も多くなりますが、反対に景気が悪くなっている時や、株価が下がっている時には少なくなります。

いくら資産と地域を分散したとしても、思い立った(景気が良い)タイミングで金融商品を一度に購入してしまったのでは、景気が悪くなれば保有資産の下落は避けられません。

“安定した資産運用をされる方の共通点安定した資産運用をされる方の共通点

私が証券会社で働いていた頃、急激に相場環境が悪化した場合にも、保有資産をいち早くマイナスからプラスに戻しているお客さまには共通点があることに気づきました。それは景気や株価の変動に惑わされることなく、きちんと計画をたててご自分の資産を管理し、定期的に金融商品を購入されていること。まさしく「時間の分散」です。
「時間の分散」を実践するための方法のひとつに、毎月同じ金融商品を、同じ金額だけ購入していく「ドル・コスト平均法(定額購入法)」があります。その商品の値段が高い時には少なく、安い時には多く購入することになるため、購入価格が平均化される方法です。もちろん商品の値段が下落して損失を被る場合もありますが、長期的運用をすることにより損失が吸収されやすいという利点もあります。

ただし絶対に守って欲しいのは、資産運用に利用する資金は、生活に支障のない余裕のある範囲内できちんと計画しておくこと。長期的運用の途中で生活資金が足りなくなってしまったら、購入した商品が値下がりしているタイミングでも売却せざるを得ません。加えて、金融商品は購入の際だけではなく、売却についても「時間の分散」をおこなうことが大切です。売却しない限り、利益は確定しないということもお忘れなく。

若い人たちには積立投信での長期的運用がおすすめ若い人たちには積立投信での長期的運用がおすすめ

「ドル・コスト平均法」が実践できる代表的な金融商品には、『つみたてNISA』や『iDeCo』があります。(第2回のコラムで『つみたてNISA』と『iDeCo』のご紹介をさせて頂きましたので、ご興味のある方は第2回のコラムもご覧ください。)売却時の利益も非課税であることから、資産形成をしている世代に大変人気のある商品です。

しかし、「つみたてNISA」や「iDeCo」で選択できる投資信託のラインナップは限られておりますので、それ以外の投資信託もなさりたいとお考えの方、特に若い世代のみなさんにおすすめしたいのが『積立投信(積み立ての投資信託)』です。

若いうちから資産運用を始めれば、それだけ運用期間を長く確保できることになり、「時間の分散」を実践するうえで大きなメリットになります。日々の生活に必要な資金や子どもの教育費、住宅購入の頭金など、近い将来に使い道が決まっている資金を除いた、当面使う予定がない資金の中で積立投信を検討してみましょう。外国株式や外国債券などが組み込まれている投資信託を利用すれば、グローバルな視点を持つことにも役立ちます。

また、若い世代のみなさんのもうひとつのメリットに、多少リスクを取っても挽回する時間が残されていることがあります。若いうちであればアクティブ運用などの投資信託を併用することで、運用利回りを上げていくこともできます。あくまでも基本は積立投信でコツコツと。そのうえで資金に余裕があれば、若いうちは多少のリスクをとってみる。そして年齢とともに徐々に安全資産にシフトしていきましょう。投資信託の割合や金額を、生活状況の変化やライフプランに合わせて、定期的に見直すこともお忘れなく。

ファイナンシャルプランナー伊藤 美恵

元証券会社窓口や生命保険会社等にて相談業務に従事。
現在は独立系FPとして顧問業・相談業務・セミナー講師・執筆等を行う。
エフエムたいはく「幸せ生活向上委員会」ラジオパーソナリティー。